ドイツの写真機

目次:
● Mess-Ikonta
● Super Ikonta (531/2)
● Contina II
● Contessa 35
● Contessamat SBE
● Contaflex II
● Contaflex IV
● Contaflex Super B
● Pro-Tessar について
● Agfa Isolette
● Agfa Ambiflex
● Agfa Ambi Silette
● Agfa Ambi Silette についての追加事項
● Agfa Karat IV 型
● Rolleiflex SL26
● Rollei 35 LED
● Rollei 35 LED のシステムカメラ化
● Edixa REX CDS
● Weltini 
 


Mess-Ikonta(画面サイズ 6×9cm)

画面サイズ 6×9cm のものとしては初めて買った写真機。1951~57年に生産された製品のようだ。距離計がレンズの動きと連動しないし、レンズも Novar Anastigmat である。
デザインは気に入っている。しかし、でき上がった写真には満足できなかった。もっとも、それは画面サイズ 6×9cm の割には、ということであって、35ミリカメラで撮った写真と比べればずっといい。
気に入るまで直しに没頭していたら、シャッター速度の切り替えができなくなってしまった。ときにはこういうこともある。今は絞りだけで露光を調節するしかない。


Super Ikonta (531/2)(画面サイズ 6×9cm)

Super Ikonta (530) が発売されたのは1934年。私のは531型だから戦前後期型ということになる。39年頃の製品かもしれない。購入したのは 2000 年春。
レ ンズボードだけでなく、ファインダーも折り畳める。焦点調節が面白い。Drehkeil というもので調節する。楔形プリズムを回転させて画像の角度を変える方法だ。すなわち、物理的にミラーの角度を変えるのではなく、光学的に画像を移動させ る方法だ。Mamiya 6(日本製)の場合はバックフォーカシングという手段(フィルムを前後させる方法)で調節する。方式は異なるが、どちらの写真機もレンズの動きと本体を物理的に連結させることなく、焦点合わせができる。世の中には頭のいい人がいるものだ。
Super Ikonta のレンズは名レンズと言われる Carl Zeiss の Tessar。コーティングはされていないが、いい写真が撮れる。これを買ったときは毎日リュックに入れて持ち歩いていた。それ程気に入った写真機の一つだ。
ファインダーだけはどうしても見づらかったので、手を加えた。後で売り払うつもりが全くないから、自由に加工できる。それによって商品価値は下がるだろうが、そんなことはどうでもいい。


Contina II(画面サイズ 24×36mm)

1952~53 年頃のもの。1999 年夏、ドイツのコンスタンツのカメラ屋で買った。非常にコンパクトな35ミリ蛇腹折り畳み式カメラ。付いているのは単独距離計であり、レンズとは連結しな い。空シャッターが切れないので、どこか壊れているんじゃないか、と若い店員に言ったら、しばらくいじってから、「シャッターは正常だが、連結部分がおか しい」と言う。その頃、距離計のない Semi Leotax を使っていたので、せめて距離計だけでも利用できないかと思って買った。
部 屋に帰っていじっているうちに、フィルムを入れなければシャッターが切れない構造になっていることを発見。つまり、カメラは正常だったのだ。さすがは凝り 性のドイツ人。とことん拘る。まさに職人気質。旅先故、道具がないので、たばこのパイプ掃除に使うナイフで分解して距離計を直した。
こ の写真機のレンズは Novar Anastigmat 1:3.5/45mm(写真左)。スナップ写真には適しているが、風景描写の場合はどうも満足できなかった。日本に帰ってから、フイルム巻き上げノブの部 分を分解して油をさしたら完動品になった(分解するときに一部分壊してしまったが、使用には全くさしつかえないし、他人には絶対にわからない)。
欲 しくてたまらなかった Tessar 1:2.8/45mm 付きのもの(写真右)がインターネット・オークション(eBay)で手に入った(2004年6月)。日本で見つからなくても、世界中を探せば見つかるとい うことを eBay は教えてくれた。仮にジャンク品が届いても後悔しない覚悟で110ドル賭けた。実際はそれ以下で手に入った。Tessar 付きで、しかもピカピカ光る新品同様の Contina II が送られてきた時は感激し、その夜はろくに眠れなかった。眠っていた短時間の間にも、ドイツでこの写真機を使って写真を撮っている夢を見た。Tessar 付きならば Contina II は固定レンズカメラとしては Contessa 35 に匹敵する。本体のデザインに関して言えば Contessa 35 より好きだ。レンジ・ファインダーとビュー・ファインダーは別々になっているが、その分、ビュー・ファインダーが明るくて見やすいし、レンジ・ファイン ダーの二重像は分離がみごとで、近距離からせまっても遠距離からせまっても、感動する程ピタッと正確に決まる。ビュー・ファインダーとレンジ・ファイン ダーが離れているのは構わないが、レンズとレンジ・ファインダーが連動していない点が惜しまれる。Rollei 35 よりは大きくて重い。でも、携帯性という点では Contina II の方がむしろ優る。大満足!
写真 左から:Contina II(Novar Anastigmat F3.5/45mm 付き)、Contessa35(Tesser F2.8/45mm)、Contina II(Tesser F2.8/45mm 付き)


Contessa 35(画面サイズ 24×36mm)

1950~53年頃の35ミリ判蛇腹折畳み式写真機。私のは前期型だから1950~52年の間に売られていたものだろう。Contina II と瓜二つの外見。レンズは名レンズと言われる Carl Zeiss の Tessar。コーティングもしっかりしている。
Super Ikonta と同様、Drehkeil 方式で焦点を合わせる。写りは35ミリカメラとしては文句の言いようがない。満足できる。ただ、ファインダーだけはどうも見にくい。何しろ接眼部が小さ過 ぎる。それに、ファインダーそのものが向かって右に寄りすぎているため、ファインダー窓も接眼部も、本体の斜めになっている部分に取り付けられている。そ れでどうしても被写体を斜めに見てしまう。要するに、写真機を真っすぐに構えるのがむずかしいのだ。しかし、写真のように、外付けファインダーを取り付 け、距離合わせの後で外付けビューファインダーに目を移動させることにより問題は解決する。
露 出計が駄目になっているために非常に安く買うことができた。単独露出計をいつも持ち歩いているのだから、カメラ付属の露出計なんか本当はどうでもいい。し かし、せっかく付いているのだから使えるようにしたい。幸い、代金を払おうとしている最中に急に針が動くようになった。店の主人も、「針が全く動かないか ら安い値段を付けたんだけどなあ」と言ってびっくりしていた。この段階では露出計はまだ使い物にならなかったが、入射光線の物理的調節とフィルム感度目盛 の調節により、一定の明るさ以上の場所では(日中の屋外で、しかも蓋を開けた状態で)実用に耐える程度になった。針はその後もずっと動き続けている。
露 出計以外の部分にはまったく問題なかったので、機械的部分は全くいじっていない。もっとも、この写真機は私がいじれるほど単純な構造ではないが...。と にかく、私にとってはもはや完動品だ。消しゴムで軽くこすったら、みすぼらしかった写真機が左の写真のようにピカピカになった。金属部分をピカピカにする には消しゴムは驚くほど効果的だ。購入したのは 2001年1月。


Contessamat SBE(画面サイズ 24×36mm)

2000 年9月、学会出張の時、ウイーンのカメラ屋でピカピカ光る写真機を発見。よく見たらレンズは Tessar。どこも壊れていないと言うので即座に買った。確かに完動品だった。
し かし、その日のうちに全く動かなくなってしまった。日本に帰ってからさっそく分解。シャッター関係の歯車に少し油をさしたら動くようになったが、今度は絞 りが動かなくなった。油をさすときはこの点に注意する必要がある。これはそれ以前に何度も経験したことだ。絞りの掃除をしたら、問題なく動くようになっ た。
レ ンズが Tessar だけあって、撮った写真は見事だ。それならば、と思い、今度は距離計と露出計の調節にかかった。このカメラはシャッター優先の自動露出カメラ(いわゆる EE カメラ)としても使えるようになっているのだ。明るさとシャッター速度が絞りに連動するようになり、機械的には完動品に近くなった。だが、ストロボは使え ない。シンクロソケットとシャッターを結ぶ線がなくなっているのだ。どことどこを結べばいいのか、どうしても分からない。それでストロボは諦めた。
ど うしてか、光り漏れ(あるいはフィルム室内部の反射か?)が生じる。いくら実験してもこれは解決できなかった。そうこうしているうちに Contessa 35 が手に入ったので、修理に出す気がなくなり、現在もそのままになっている。折り畳み式カメラでないことも魅力を失った理由の一つだ。
調べたところ、1963~67年に売られていた比較的新しいカメラのようだ。
 


Contaflex II(画面サイズ 24×36mm)

1954 年に発売されたレンズシャッターの一眼レフ。レンズシャッターなので、各部分の動きが実に面白い。シャッターをチャージする(フィルム巻き上げノブをいっ ぱいに回す)とまずフィルムの遮光板が降り、同時にミラーが降りてくる。それと同時に絞りが開放になり、シャッターが開く。これでファインダーから像が見 えるようになる。シャッターボタンを押すと、まず開いていたシャッターが閉じ、絞りが指定値まで閉じる。それからミラーと遮光板が跳ね上がり、その後で シャッターが開いて閉じる。次にシャッターをチャージするまで、ファインダーからは何も見えない。この一連の動きは Komaflex-S の場合とほぼ同じだ。
コ ンパクトな一眼レフだ。Contessa 35 より少し大きい程度で、フォーカルプレーン・シャッターの一眼レフよりもかなり小さい。しかし、重さは700グラムぐらいある。問題はミラーの降り方が少 し足りないことだ。だから結局、フィルム面の焦点とファインダーから見る焦点にずれが生じる。何とか直したいと思って、その方法を思案しているところだ。 いかにもドイツの製品らしく、すべてが実にきちんと作られているので、直すには分解するしか方法がなさそうだ。しかし、こんな複雑な機構を持ったカメラの 場合、下手をすると全く駄目にしてしまう可能性がある。それが恐い。でもいつかはやらなければならないだろうなあ。
ついに分解してしまった。軍艦部を開けてプリズムを外し、ミラーやプリズムを掃除した。歯車の噛み合い具合などもいろいろ調節してみたが、上記の現象は直らない。どうも、フィルム巻き上げ部のあたりでもう一段階内部に踏み込む必要があるようだ。やれやれ、寝不足だ。


Contaflex IV(画面サイズ 24×36mm)
 
ミュンヒェンで Contaflex IVを見つけた(2001年8月)。180マルク。高いと思ったが、日本円に換算してみたら「1万円+消費税」ぐらいの値段。これは安い。
Contaflex II と同様レンズシャッターなので、複雑な動きをする。しかし、Contaflex II と違って焦点合わせは全群移動式。前群の交換も可能。
コ ンスタンツで望遠レンズ(Carl Zeiss Pro-Tessar 115mm)も入手。350 マルク。店の人は「かなりいい値段だ」と言ったが、日本円に換算すると2万円以下。買わなければ後悔すると思って買った。これはガラスのかたまりみたいな 大げさなレンズ。これを付けるとものすごい外観となる(写真右)。見るだけで圧倒される。
前 群だけの交換というのも面白い。広角の35mm もあったが、それは買わなかった(しかしこれも結局、それから半年後の2002年2月にこの店で買うはめになる)。レンズは Zeiss の Tessar(望遠の方は Pro-Tessar)だから写りは抜群。Contessa 35とそっくり同じ写りをする。ちょっと重いのが欠点。帰国してからさっそく周りをきれいに貼って新品同様にした。


Contaflex Super B(画面サイズ 24×36mm)

名 古屋市内のカメラ屋で Contaflex Super B と Contaflex-S automatic を見つけた(2003 年7月)。Contaflex II や IVと比べると外見のデザインがすばらしく、しかも余りにも安いので欲しくなった。2日後の晩、この写真機のことを考えて途中で目が醒めて眠れなくなった ので、その翌日に買いに行った。
Super B も S automatic も値段は同じで、どちらも1万円台。本当は最終機種である S automaticの方が欲しかったのだが、機能や外見にほとんど差がなかったし、S automatic の方は露出計が動かないとのことだったので迷っていたら、店の人が
「両方買ったらどうですか。どうせ2台で1台分の値段なんだし...」
と言った。2台買うと今度はどっちを使うかで迷わなければならなくなる。S automatic の方にはフィルム交換マガジンがついていたが、これは2つ以上ないと意味がない。
結局、露出計が正常で、ファインダーも明るく、程度もよりよさそうに思われる Super B の方を買った。後でわかったことであるが、これはセレン露出計も含めて、まさに完動品だった。
や はり第1印象通り、Contaflex IV よりも少し横に長く、ちょうど Pentax Me Super と同じ横幅であった。さらにContaflex IV より少しだけ重い。横幅があるために、幅がせまくて高さがある Contaflex IVよりも美しく見える。一眼レフとしては小柄な方だが貫録というものを感じさせる写真機だ。何でも、発売当初は日本では Nikon F よりもはるかに高かったようだ。
デ ザインだけでなく、Tessar レンズの写りがすばらしい。レンズシャッター1眼レフの複雑なメカの動きが伝える機械音がたまらない。何しろ、露出計も含めて、電池など一切使わない。全 てが機械でできている。いかにも写真を撮っているという感じがする。しかもこの露出計は絞りと連動している。さらに、ストロボのガイドナンバー、距離、絞 りが相互に連動している。これは便利だ。2003年8月、これで南ドイツや北ドイツを撮りまくった。今度はPro-Tessar 35mm(広角)との組み合わせで撮ってみようと思う。この組み合わせだと重さが1kg 近くになってしまうが...。


Pro-Tessar について

私 が持っている Pro-Tessar は 1:3.2, f=35mm が2つ(写真左端と中央)、1:4, f=115mm が1つ(写真右端)、計3つである。他に 1:4, f=35mm、1:3.2, f=85mm、1:4, f=85mm もあるようだ。他にもまだまだあるかもしれない。
私が 1:3.2, f=35mm を2つ持っているのは、同じ 1:3.2, f=35mm でもさらに2種類あるからだ。1つはコーティングがほとんどなされていないように見えるもので、形も大きく(フィルター径57mm)、300g ほどの重さがある(写真中央)。
も う1つはいかにも Tessar といった感じのコーティングがなされているもので、形は小さく(フィルター径49mm)、重さは200g ほどで、写りもすばらしい(写真左端)。同じ f=35mm でも大きさと重さはずいぶん異なる。後者の方が新しいのではないかと思われるのだが、何故か距離はフィートで表示されている。前者はメートル表示なのだ が...。これはどうもアメリカ向けの製品かどうかに関係ありそうだ。
1:4, f=115mm(右端)はやたらと大きく(フィルター径 67mm)、実用には重すぎる。レンズ自体もまるでガラスのかたまりだ。ヘリコイドは写真機本体のものを使うので、3m 以上離れないと焦点が合わない。逆に、f=35mm の方は 35cm ぐらいまで接近できる。


Agfa Isolette(画面サイズ 6×6cm)

1986 年にドイツのコンスタンツで手に入れた。私にとっては初めての中判カメラ。ボタンを押すとレンズボードが勢いよく飛び出してくる蛇腹スプリングカメラだ。 機構は極めて単純。距離計もついていない。赤窓には扉もついていない。シャッターボタンすらなく、レンズの右側のレバーを倒してシャッターを切る仕組み。 でも細かいところまでアイデアがいきとどいている。外見に似合わず頑丈だ。さすがはドイツの製品。
画面サイズ 6×6cm の割にはコンパクトなのに驚いた。35ミリ一眼レフと比べても小さい。それが、蛇腹カメラに魅力を感じ始めた理由の一つだった。
初めて手にした蛇腹写真機だったので、ボーデン湖などを撮りまくった。ちょうどボーデン湖が増水した頃である。あのときは道路と水面の高低差がなくなり、湖畔のベンチのいくつかが水中にあった。道路に上がる階段で白鳥が泳いでいた。


Agfa Ambiflex(画面サイズ 24×36mm)

コ ンスタンツで Agfa 社の Ambiflex (Agfa Color-Ambion, 1:3.2/35mm 付き)という写真機を見つけた(2001年8月)。ウエストレベルのファインダーに引かれて店にとびこみ、即座に買った。レンズシャッターの一眼レフで、 レンズ交換(前群交換ではなくて全群交換)が可能。
さっそくボーデン湖畔に行き、試写しようと思った途端に、シャッター関係の部分の動きがおかしくなった。買った店に戻る。店の主人は初めは「正常だ」と主張していたが、私がしつこく不具合を指摘した結果、次の会話に至る。
主人「ちょっとしたことだとは思うが、確かに正常ではなくなっている。返却してもらってもいい」
私 「別の物との交換も可能だね」
主人「それでもいい」
私 「でもやっぱりこのカメラが欲しい」
主人「正常な状態にするには2週間かかる」
私 「私はあと1週間しかここにいない」
主人「国へ帰ってから修理するというのであれば半額で売ってもいい」
何故か、自分で正常な状態にできるという自信もあったので、半額で買った。帰国してから目方を計ったら何と Nikon F よりも重い。こんなものは使えない。分解する意欲がなくなってしまった。
Ambiflex を買った2日後にこの店で Contaflex 用の望遠レンズ Pro-Tessar 115 mm (Carl Zeiss) 、そしてそれから半年後の2002年2月には広角レンズ Pro-Tessar 35mm(Carl Zeiss)を買うことになる。


Agfa Ambi Silette(画面サイズ 24×36mm)

コ ンスタンツで上述の Ambiflex を買う際、実はAmbi Silette の方を買おうかとずいぶん迷った。Ambiflex の方を買って、結果的には失敗したことになる。そのときからすでに Ambi Silette は気になる存在だったのだ。上述のように「別の物との交換も可能だね」と言ったとき、実はAmbi Silette を指していたのだった。2年半も後になって、結局日本で買うことになる(2004年4月)。
こ の写真機は R135 フルサイズのレンジファインダーカメラとしては小型な方だ。小型1眼レフの初期型 Contaflex (例えば IV 型) とほぼ同じ大きさだが Contaflex IV より軽い(標準レンズを付けた状態で700g を少しオーバーするくらい)。ContaflexII 型ぐらいの大きさと重さだ。私のお気に入りの Contaflex Super B と比べればかなり小さく、かなり軽い。
レ ンジファインダーカメラでありながらレンズ交換もできる。比較的小さくて、比較的軽くて、レンズ交換ができることが魅力だったのだ。前群のみ交換の Contaflex Super B に望遠レンズ(Pro-Tessar 115mm)を付ければ1250g 程になってしまうし、広角レンズ(Pro-Tessar 35mm)を付けた状態でも1kg に近くなる。だが、全群交換のAmbi Silette に望遠レンズ(Agfa Color-Telinear, 1:4/90mm)をつけても800g 以下だし、広角レンズ(Agfa Color-Ambion, 1:4/35mm)を付けた状態だと600g ちょっとだ。全群交換だとこんなメリットもあるのだよ。

こ の中望遠レンズ(Agfa Color-Telinear 1:4 /90mm)は通常の一眼レフ用 50mm 標準レンズよりもコンパクトだ。望遠レンズを付けてもなおもコンパクトなカメラ。これは魅力的だ。 ファインダーにははね上げ式遮光板までついている。今まで、ファインダーに遮光板があればいいのにと思ったことが何度もある。自作しようかと思ったことす らある。Ambi Silette のファインダー遮光板ははね上げ式だから邪魔にならなくて非常にいい。この遮光板は大きなレンジファインダーを保護する役目も果たす(もっとも、マニュア ルによれば、Agfa 社の意図はファインダー保護の方にあったようだが)。

 

ま た、フィルム巻き戻しの際、フィルム全体がパトローネに入ってしまわないで、最後の部分(最初の部分と言うべきか)が外に残るようになっている、ファイン ダー内のフレームが焦点距離に応じて上下に移動する、など実に良くできた写真機だ。セルフ・タイマーも付いているし、スペック的には手動カメラとして完璧 だ。
ファインダーの中のフレーム表示を35mm 用、50mm 用、90mm 用 に切り替えることができる点も面白い。
35mm の広角レンズ(Agfa Color-Ambion, 1:4/35mm)はインターネット・オークション( eBay )で手に入れた。これはまさに執念だ!
実 に小さなレンズで、重さは100g 足らず。厚さも重さも Pentax のパンケーキ・レンズ(smc Pentax M40/2.8)以下だ。このレンズを使うと、感動する程よく写る。それにほとんどパン・フォーカスで撮れるようだからたぶんこれが常用レンズになるだろ う。小さくて、軽くて、しかもよく写る。実に便利なレンズだ。
何 しろ古いカメラなので、買ったときはかなりみすぼらしかった。コンスタンツで買わなかった理由はこのみすぼらしさにもあった。その後も日本で見かけたが、 いつ見てもみすぼらしくて買う気にならなかった。今回も同様だったが、買ってからピカピカに磨き上げ、少し加工して、写真のように新品同様の外観にした。 従って、このページの写真で見る Ambi Silette はオリジナルとは外見がかなり異なっている。何度も言うが、私は写真機を商品とは見ていないので、商品価値なんかどうでもいい。だから自由に加工できる。 私の Silette は「Agfa」や「Silette」などの文字がすっかり消えた得体のしれないものとなった。
革ケースも何種類かあるようだ。私が手に入れたのは 90mm 望遠レンズと露出計を付けた状態でも使える物だった。従ってかなり大げさな外観となる。それで、蓋を切り取って、コンパクトにした。(写真右)
他のカメラに無い機能まで備えた高級機なのに外見だけが貧弱だったこの写真機。そこからみすぼらしさを消し去って、高級機らしい外観にすることができたことが何よりも嬉しい。
 
II 型(後期型、写真左)も手に入った。正面からわかるのはレンジファインダーの構造の違い。ファインダーが違うだけで、外見はかなりよくなった。さらに、正面からはわからないが、フィルム巻き上げレバーが非常に使いやすくなっているし、ファインダーも見やすくなった。
こ の II 型はインターネット・オークション eBay でドイツ、ミュンヒェンの業者から買った。相手がドイツ人だとコミュニケーションが楽でいい。まるで雑談だ。写真の II 型についているレンズは Color-Ambion F4/35mm (+市販のゴムフード)。
上述のように、この写真機はかなりの高級機なのだが、外見は安っぽく、デザインもやぼったい。故に、この写真にある II 型も外見をかなり変えてある。しかし、気分というものは絶えず変化する可能性があるので、いつでも元に戻せるような加工の仕方でなければならない。

 

Agfa Ambi Silette についての追加事項
上 述のように、Agfa Ambi Silette には2種類ある。仮に I 型、II 型と命名しよう。両者の違いは、主にレンジファインダーの構造とフィルム巻き上げレバーの形状にある。しかし、I 型の中にもさらに少なくとも2種類あることに気がついた。違いはストラップ取り付け金具の有無である。金具のない方を I-a 型、ある方を I-b 型と命名するならば、古い方から、 I-a 型、I-b 型、II 型の順ではないかと思われる。
ま た、35mm、50mm、90mm のレンズにも、距離計連動面の微妙な高さ違いにより、それぞれに2種類があることがわかった。私は I-b 型を持っていないので、2種類のレンズの使い分けの境目が I 型と II 型の間にあるのか、あるいは I-a 型とI-b 型の間にあるのかはわからない。とにかく、I-a 型と II 型で同一のレンズは使わない方がいい。I-a 型用レンズを II 型写真機で使用すると、レンズの焦点距離とレンジファインダーの焦点距離が一致しなくなる。すなわち、二重像を重ねるという手段が利用できなくなる。逆 に、II 型用レンズを I-a 型写真機に取り付けた場合、レンズの距離目盛を無限大まで回すことができなくなる。無理に回せば、レンズの距離計連動面に傷をつけてしまう。


Agfa Karat IV 型(画面サイズ 24×36mm)
外見が非常にきれいだったことと、安かったこと(1万2000円)に引かれて、衝動買いしてしまった(2004年7月)。
念 入りにいじってみたが、完動品だ。私は Karat については知識を持ちあわせていなかったのだが、調べてみるとこれは IV 型と言われる1956年製最終型で、Solagon F2/50mm という大口径レンズがついている。してみると買い得だったと言える。Contina II より少し大きく、Ambi Silette より少し小さい。最終型だけあって、見た目も悪くない。
蛇 腹カメラではあるが、Contina II や Pearl IV などと違って、レンズ部分がそのまままっすぐ奥に引っ込むタイプの胴沈式折畳み写真機だ。だから、フィルターを付けていようが、フードを付けていようが、 関係なく折り畳むことができる。焦点合わせは全群移動式で、セルフタイマーも X 接点も付いている。おまけにレンズはすごく明るい。写真を撮るときは蛇腹写真機であることを全く意識する必要がない。これも私が理想とする写真機の1つ だ。欠点はストラップ金具がないことぐらいか。従って、持ち運びにはケースが必要だ。廃物ケースを利用して作った。持ち運ぶチャンスなどあるかどうかわか らないが、持ち運び歩きたい写真機ではある。

私 の興味はどうも1950 年頃から 1960 年代初めにかけて作られた写真機に集中しているようだ。偶然かもしれないが、これは、写真機に興味を持ち始めながらも、貧乏ゆえに写真機の所有など夢の夢 であった頃とほぼ一致する。そして今になって、その時代を取り戻しにかかっているかのようにすら思える。「夢の夢」を「現実」に変えようとしているのかも しれない。ともあれ、現代の便利な「カメラ」には全く興味がない。
わ ずかではあるが、Agfa Ambi Silette II 型には距離計の二重像に左右のずれが、また Agfa Karat には上下のずれが見られた。調節の方法はわかっているつもりだったが、今回は分解する勇気がなかなか出てこなかった。分解しても、元通りに組み立てられな いのではないかという不安に駆られたのだ。年齢のせいだろうか。このまま放っておくか、修理に出すか、自分で直すか、ずいぶん迷った。Contina II(Novar Anastigmat 付き)の時なんか、旅先で、タバコパイプ掃除用のナイフのみで距離計を直したくらいだったのに...。
今 回も結局は自分で分解して調節したが、やってみると大したことではない。自分の思い通りに調節できるので、結果的にはかえってよかった。しかし、こんなに 慎重になったことは今まではなかった。勇気が出たついでに、Agfa Ambi Silette I 型の方も微調整した。


Rolleiflex SL26(画面サイズ 28×28mm)

ミュ ンヒェンのカメラ屋で見つけた (2002年3月)。実にコンパクトではあるが、フル機能を装備しているアイレベルの一眼レフ。Bolsey C とほぼ同じ大きさで、レンズは Carl Zeiss の名レンズ Tessar の標準レンズ(40mm)が付いている。さっそく28mm 広角レンズと共に購入。残念なのはフィルムが R126というめずらしいタイプのものであること。フィルムをくれと言ったら、実に無愛想な店の親父がおまけとしてこのフィルムをくれた。「売ってくれ」 と言ったつもりだったのだが...。少し雑談して帰ったが、無愛想な人というのはどこか面白いところがある。私自身が変人なのだろうけれども、多くの場 合、普通と違う人間との相性はいい。その時の会話(要約)。
(私) :この個体はこの部分が動かない。もう一つあるようだからそっちを見せてくれ。
(親父):そんなことがあるものか。壊れてなんかいない。どっちを見たって同じだ。
(私) :いいから見せてくれ。ほら、やっぱりそうだろ?こっちは正常だ。(略)クレジット・カードで買えるか?
(親父):見てみろ、こんなちっぽけな店。そんな機器を備える余裕なんかあるもんか。
(私) :じゃ、駅の銀行に行って両替してくる。このままそっくりここにとっておいてくれよ。
(親父):わかった。
コ ンスタンツのスーパーでこのフィルムを発見。何だ、スーパーで売っているようなものなら日本でも簡単に手に入るだろう、と考えたのが間違いだった。日本で はもう通常のルートでは手に入らないようだ。余分に買ってくるべきだった。結局、ドイツの友人に送ってもらった。しかし、日本ではプリント代が高くて実用 にならない。惜しいなあ!
と 思っていたら、日本では本来のやり方ではプリントができなくなってしまった。しかし、これがかえって幸いした。結局35ミリフィルムと同じやり方でプリン トしてくれるようになったのだ。簡単に言えば、フィルムは本来28mm×28mmの真四角なのだが、その上下各 2mm、計 4mm 分がカットされた横長の写真になって帰ってくる。つまり28mm×24mmの大きさを引き伸ばしたものとなる。結果的に、縦横の比率が中判(ブローニー 判)の67判と同じになる。R135からの写真と比べれば横幅が足りないので余白ができてしまう。だから、できあがってきた写真の両側を裁断機で切らなけ ればならないが、そんなことはお茶の子さいさいだ。プリント代も35ミリフィルムからの同時プリントと同じになった。
上の写真は28mm広角レンズ (Pro-Tessar) をつけたところ。


Rollei 35 LED(画面サイズ 24×36mm)

同じRollei でもこれは35mm フルサイズの R135 フィルムが使える。しかも本体は「たばこサイズ」、たばこよりも厚みはあるが。重さも240g。コンパクトではあってもフル装備(セルフタイマーは付いて いない)。しかも機械式ですべてマニュアル。小さくても中にはメカがぎっしりつまっている。こういったメカのかたまりみたいなものをいじるのは実に楽しい。
サイズを他の写真機と比較するならば、Rollei 35 はBolsey C よりも小さく、Olympus XA とほぼ同じ大きさと重さ。横幅に関して言うならばOlympus XAより小さい。しかし、ただ小さくて軽いだけではなく、手ぶれも起こしにくい。露出計も正確。光量の調節もストロボの装着もOlympus XAより自由度が高い。機械式シャッターだからシャッターを切るときのタイムラグも起こらない。スナップ写真には最適だ。

レンズは3群3枚構成の Triotar (Carl Zeiss) だが写りは非常にいい。いや、レンズ構成が単純だからこそコントラストの高い写真ができ上がると言うべきか。素人なのでわからないけど、構成が単純であれ ば内部反射などが少なくなる。故にめりはりのきいた写真ができ上がるのかもしれない。線画のような写真が...。私はプロではないから自由にものが言える が、実はそういう写真が一番好きなのだ。それにこの写真機は沈胴式折畳み。私にとってはR135mmタイプとしてはまさに究極の理想的カメラだ。シャッ ター速度と絞り(それに距離)しか調節できない単純なカメラだ、という記述も見かけるが、写真を撮るのに他にどんな調節が必要だと言うのだ。この3つが調 節できればそれで完璧ではないか。それでもやっぱり多少の物足りなさを感じるのはレンジ・ファインダーがないためだろう。

ドイツ製だが日本で買った(2002年4月)。レンズキャップと折畳みフード、それにフィルターも入手。しかし、フィルターやフードを付ければキャップが使 えなくなる。大抵はどれも不要だから単なる拘りに過ぎないけど、私は常に3つとも同時に使いたい。という訳で、キャップの方を自作した。何度も言うようだ が、理想的な物を求めるならば自作するしかない。

今までこのカメラの存在を知らなかったわけではない。にもかかわらず興味がわかなかった理由はデザインにある。今まで見た Rollei 35 はレンズボードの両側に絞りやシャッタースピード調節のダイヤルが付いたものばかりだった。そしてそういうタイプの Rollei 35 は値段も張る。私が手に入れたのはそういうタイプではなく、廉価版である。そして、まさしくこの廉価版のデザインが私の気に入ったのである。廉価版と言っ ても機能を省略している訳ではないからである。

この写真機には1つだけ気に入らない点があった。それはアクセサリーシューが下に付いていることだ。このままフラッシュ撮影を行なうと不快な影ができる。そ れでしばらくはカメラを逆さまに構えて写真を撮っていた。だが、これも面白くない。そこで、カメラ上部の電池カバーの上にシューを付け、それにストロボを はめ込んで、シンクロコードで下部のシューと結ぶようにした。そうすることによって、カメラをわざわざ逆さまに構えなくてもいいようになった し、ストロボを使わないときは上部のシューに 単独距離計をはめ込んで使うこともできる。上下2つのシューを同時に使えば距離計とストロボを同時に使うこともできる。これで本当の意味で理想的な写真機ができ上がっ た。いやはや、この執念深さと言ったら...。

 

ついでに:Rollei 35 LED のシステムカメラ化
Rollei 35 LED にケンコーの0.6倍デジタルカメラ用コンバージョンレンズ(Kenko CD-06W)を付けてシステムカメラ化を試みた。

本体のレンズが f=40mm だから、計算では f=24mm になるはずであるが、実際は 28mm ぐらいになる。私にとってはこれで十分だ。見た目もそう悪くない(写真:右)。
カ メラの向かって右側上部にアクセサリーシューをもう1つ付け、中央上部のシューには Voigtlaender の 28mm ファインダーを付けてみた。このファインダーは値段が高いだけあって、明るくて本当にすばらしい。覗くだけで楽しくなる。それに触発されていろいろやって みた結果、以下の点に注意する必要があることがわかった。
デジタルビデオ用のコンバージョンレンズは全く駄目(イメージサークルの問題か?)。
デジタルカメラ用でも、0.5倍コンバージョンレンズの場合は画像周辺部が流れる。望遠用も画面中心部の狭い範囲以外は画質が悪かった。0.6倍がいい。
カメラ本体のレンズとコンバージョンレンズをできるだけ接近させる。両者の間に距離がある方が画角は広がるが、画質は劣化する。
画面周辺部の画質劣化をふせぐため、絞り値を8以上(推奨は11以上)にする。
小型デジタルカメラが普及したことがクラカメファンにとってはかえってよい結果となった。クラカメのレンズ口径が小型デジカメと似ているため、クラカメに流用できるデジカメ用品(各種フィルター、ステップアップリング、コンバージョンレンズなど)が多くなったからだ。
上 記と同じことを Contaflex Super B でも試みた。50mm 標準レンズに Kenko CD-06W を付ければ f=35mm ぐらいの画角になるが、Pro-Tessar f=35mm があるので、100g 近く軽くなることとマクロ撮影ができること以外はあまりメリットがない。Pro-Tessar f=35mm だと絞り値を気にしないでいられるので安心だ。
この Kenko CD-06W を中判カメラの Pearl IV につけてみた。当然駄目だろうと思っていたが、意外にいい結果が得られた。やっぱり、写真機本体のレンズとコンバージョン・レンズが接近していることが重要なようだ。


Edixa REX CDS(画面サイズ 24×36mm)

EDIXA REX CDS という一眼レフの写真機を見つけた。コンパクトなウエストレベル・ファインダーに引かれて、見つけた翌日に買った(2006年7月)。とにかく、見た目が いい。シャッターはB、1秒から1000分の1秒まで、絞りは2.8から22までだ。CDS露出計も付いている。電池を交換したらちゃんと機能した。レン ズはEDIXA-ISCOTAR 1:2.8/50mm。バヨネット式で交換も可能である(他のレンズが見つかればの話だが)。本体は結構高級品っぽく見える。1965~1966年あたり の製品のようだ。
私の個体は完動品ではない。絞りとシャッターチャージの連結に問題がある。しかし、この個体に関しては癖を知っているので、自分で使用する限りにおいては問題ない。
本 体は立派だが、レンズは前玉回転式で、いかにも貧弱だ。写りは評判ほどは悪くないが、いいとは決して言えない。一方、この写真機にはいい点もある。ウエス トレベル・ファインダーの開閉が煩わしさを全く感じさせない。通常の写真機ではルーペは焦点合わせのためだけにあるが、この写真機の場合、ルーペを通して 画面全体が見渡せるので、アイレベル・ファインダーの代用にもなる。左右反転のままではあるが...。ルーペを出したままでファインダーを折り畳むことが できる点なども特筆に値する。ただし、Nikon F のウエストレベル・ファインダーから見るような感動的な絵は望めない。
横 幅は Asahiflex とほぼ同じだが、高さがある。このバランスの良さが大きさを感じさせない。Asahiflex やウエストレベル・ファインダーを付けたNikon F よりもずっとスマートだ。重さは 844g もあり、ずっしりとした感じ。それでもウエストレベル・ファインダーと35mm広角レンズを付けた Nikon F よりは 25g ほど軽い。しかし、わずか 25g のためにこの写真機を持ち歩く理由はない。まあ、観賞用かなぁ。


Weltini(画面サイズ 24×36mm)

毎年2回行われている「中古カメラ・フェア」に行き、デザインの良さと値段の安さに引かれて、Welta 社のWeltini という古い蛇腹写真機を衝動買いしてしまった(2007年4月)。
Welta 社製カメラには面白いものが数多くある。値段を考えずに、ただただ理想を追求していたという印象を受ける。中判カメラとしては Weltur 69/645、Weltur 66/645、Weltur 645があり、いずれも蛇腹式である(まだお目にかかったことがない)。さらには、蛇腹折り畳み式2眼レフ (Perfekta、Superfekta など) までもある。今回のこのフェアでは、Superfekta も目に入ったが、値段が高くて手が出ないので、触れることすらしなかった。この2眼レフは69判なので、折り畳んでも図体が大きい。69判2眼レフだと、 そのままでは縦長の写真しか撮れないため、フイルム室を90度回転する工夫までしてあるらしい。Perfekta の方は写真でしか見たことがないが、66判のようだ。

今回買ったWeltini はそういった蛇腹写真機の中のR135フィルム判であり、1937~1938年頃のものだ。

ま ず驚くべきことは、デザインがすばらしく、今なお古さを感じさせないということである。Schneider Kreuznach の Xenon f:2/50mm という大口径レンズ、T, B, 1-1/500 が可能な自社製シャッターが付いている。ストロボが使えないこととレンズがコーティングされていない点を除けば、スペック的には現代のカメラにひけを取ら ない。焦点合わせは前玉回転式ではなく、全群直進移動式であり、ファインダーに連動する。全群直進移動式の場合、折畳み時にはレンズを無限大位置に合わせ ておかなければならないのが普通であるが、この写真機は折畳みの過程で自動的に無限大位置に戻してくれる。さらに、この頃の写真機としてはめずらしく、ス トラップ用金具が付いている。しかし一方では、金具があれば、縦に立てることが不可能になる。この写真機では金具が本体側面ではなく、本体上部に付けられ ている。だから、ストラップを付けたままで立てることができる。あらゆる工夫が凝らされており、私にとっては理想に近い写真機だ。レンズがコーティングさ れていないためか、逆光にはかなり弱いようだ。それに、古いレンズに共通したことかもしれないが、被写界が非常に浅い。写真機上部に細かい「被写界深度 表」が付いているのもうなずける。